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若ちゃんブログ
11月20日「照顧脚下」


禅宗のお寺の玄関には「照顧脚下」とか「看脚下」という木札が掲げてある。
「脚下を照顧せよ」「脚下を看よ」と読み、自己を究明せよ、自己を見失ってはならないという警告だが、玄関の場合ははきものをキチンとそろえて脱げという意味のなる。
今回お寺を巡りながら今に自分の姿が見えてきたように思える。
あまりにも多くのことが身の上に降りかかり、はきものをそろえて脱ぐ心のゆとりすらなかったかもしれない。


多くの仏像に接し、これまでの過去を振り返り、自分のいたらなさを痛切に思い知らされた。自分を正当化するために他人を犠牲にしてきた。
このままでは浮ばれない。
再出発しかないと決めた。
小林一茶の句に
「裸にて 生まれてきたに 何不足」
人生出直しだ


とは言え、近頃どうも胃の調子が悪く、胃腸科で診察、すぐに内視鏡検査。初めての胃カメラ。
小さい頃からの大の医者嫌いで一度とて手術などしたことがなく生きてきた。ましてカメラを口から飲み込むなど考えたことのなかった。
人生最大のピンチ。
あんなにも時間の長さを感じたことはなかった。
テレビモニターで自分の腹の中が見える。不思議な光景に目の前がかすんでくる。
もうだめだ、と何度も繰り返すが口は器具でふさがれ声も出せない。
ただ、ただ自分の中でもがき苦しむだけ。確かなのはこの現実から逃げられないと言うこと。
もうこんな苦しみは二度としたくらい。これも身から出たさび。
健全なる肉体にこそ健全な精神が宿るともいうが、まさに日頃の精進こそが第一。何ごとにも「とらわれない心」こそ、これからの大事な生き方と心掛けたい。



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